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最近の日記::小田急9000系

  • 2006年2月27日(月曜日) 21時53分
  • category:鉄道話
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 そんなに生家と離れた場所を走っている訳でもないのに、小田急はあまり馴染みのある路線ではなかったのだけれど、末端に最高の観光地を持つ事に相当の憧れを持っていた。ロマンスカーがその代表的な存在ではあるものの、箱根登山鉄道に乗り入れていたり、相模大野での分割併合など、趣味的な目線でも十分に興味深い存在だった。その中でも最も僕が好きだったのが9000系だ。

 地下鉄線内へ乗り入れるために高い加減速性能を要求されながら、一方では山線をすいすいと登って行かなくてはならないという、鉄道車輌としては厳しめの条件下で開発された9000系は、随分とコストを掛けて作られたんじゃないかと、スペックを見ていると何となく想像出来る。

 主電動機出力は110kwと少し小さめながら、6両と4両とで組成された千代田線乗り入れの10両編成は8M2Tの強力編成を組み、地下線内では高加減速性能を発揮し、地上線では高速性能と登坂性能を併せ持った、いわばオールラウンダーと呼べる存在だったと思う。このあたり、前回書いた西武101系と少しだけ通ずるものがあるのではないだろうか。そして9000系の特筆すべき所は、ブレーキ装置にある。

 基本的にはこの頃の新性能車におなじみの電磁直通空気ブレーキを採用していて、それに発電制動と回生制動の両方を付加していた。アルファベットで表記すると、HSC-RDとなる。9000系は、制動開始時の速度でどちらの制動が利くのかが決まっていて、75km/h以上だと発電制動が掛かり、75km/h以下だと回生制動が掛かる様になっていた。これは当然、発熱を押さえたい地下区間では抵抗器を使わないという事を意味し、地上に出て高速運転をする際には、より安定したブレーキ力を出すために発電制動を用いたという事だ。少し無駄にも思えるこうした装備が、9000系という車輌を色づける。

 小田急ではじめて界磁チョッパ制御を採用して、満を持して相互直通運転に入った9000系は、側面のデザインこそそれまでの小田急車輌を踏襲していたけれど、正面は貫通型を維持しながらブラックフェイス化され、国鉄201系を含むその後10年の電車デザインに大きな影響を与えた。

 最近廃車が進む9000系は、初物を多く搭載した高コストの車輌で、おおよそ沢山作られる類の車輌でないのは明らかだ。事実、乗り入れ対応用の90両が作られただけで製造は打ち切られてしまっているし、彼らに残された時間はそう多く無いとも思う。だけど、こうした傍目からには無駄とも思われてしまいそうな車輌ほど僕は心惹かれてしまうし、無駄が多いほど面白いのは人生と同じだから。

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